ロイター通信によると、WHOの上級顧問ブルース・アイルワード氏は、将来の感染拡大の波に備えて、裕福な国々は今、世界的問題であるCOVID-19への取り組みから手を引いてはならないと警告した。
ここ数週間、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長はパンデミックの終息が見えていると述べており、ジョー・バイデン米大統領もパンデミックは終息したと述べている。
「彼らが『まあ、私たちはここでとても快適に過ごしています』と言うのを聞くと、『素晴らしい、今度はあなたが世界の残りの部分を成し遂げるのに本当に協力してくれるのです』と思うのです」とアイルワード氏はロイター通信に語った。
ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センターによると、日曜日までに世界の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数は6億1400万人を超えた。感染者数が最も多いのは米国で、9600万人を超えている。
アイルワード氏は、自身が率いる、世界中でCOVID-19のワクチン、治療、検査への公平なアクセスに焦点を当てたグループは、パンデミック対策の緊急段階から抜け出す準備がまだ整っておらず、各国はさらなる感染の波に備えて治療法を整備しておく必要があると述べた。
「もし今寝て、3ヶ月後にこの波が来たら…神様、あなたの手は血に染まりますよ」と彼は言った。
アイルワード氏は、WHOと他の国際保健機関が連携し、貧困国がCOVID-19対策ツールにアクセスできるよう支援するパートナーシップ「ACTアクセラレーター」の調整役を務めている。ワクチン開発に焦点を当てたCOVAXを含むこの取り組みは、世界中で数十億人に支援を届けているものの、対応の遅さが批判されている。この取り組みは今秋に終了するのではないかとの憶測もあったが、アイルワード氏はパンデミックの状況変化に合わせて焦点を変えているだけだと述べた。
ワクチンの配送
アイルワード氏は、今後6カ月間で、このパートナーシップは、特にファイザー社の「パックスロビッド」を中心に、ワクチンをまだ接種していない世界の医療従事者と高齢者の約4分の1に届け、検査や治療へのアクセスを改善することを目指すと述べた。
また、COVID-19が「今後も続く」ことから、将来を見据える必要がある。そして、システムを構築しなければ、他の先進国もパンデミックの終息を認めた時点で支援は崩壊してしまうだろうとアイルワード氏は述べた。
この計画には110億ドルの予算不足があり、利用可能な57億ドルの資金の大半は検査や治療ではなくワクチンに充てられている。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は金曜日、パンデミックを終息させるために、ブースター接種、検査、準備の3つの大きなギャップを埋める努力を呼びかけた。
「こうしたギャップを埋めるための前進こそが、今日のすべてだ」と、グテーレス事務総長はパンデミック終息に関する高官級イベントで述べた。「COVID-19への取り組みを完遂するために、政治的な勢いを高める時が来た。やり遂げよう。このパンデミックを永久に終わらせよう」
ファイザー社のアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は土曜日、COVID-19の検査で陽性反応が出たと発表した。
ブーラ氏がCOVID-19の検査で陽性反応を示したのは今回が2度目となる。
CNNによると、ブーラ氏は前回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染から3か月が経過しているため、まだ追加接種を受けていない。ブーラ氏は8月に初めてCOVID-19の検査で陽性反応を示した。
日本の岸田文雄首相は先週、来月には日本の入国制限が緩和され、2020年のパンデミック開始以来初めて観光客の入国が容易になると発表した。
岸田氏は、10月11日からは、許可された団体旅行客だけでなく、個人旅行客も再び歓迎されるようになると述べた。
今年段階的に増加してきた入国許可人数の上限は撤廃され、パンデミックへの対応として課せられたビザ要件も撤廃される。
出典:通信社・新華社